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『アンリアルライフ』&ヨカゼ5周年。hako 生活さんに訊きたい、あのときの不安と期待と

  • 執筆者の写真: 悠樹 黒澤
    悠樹 黒澤
  • 5月30日
  • 読了時間: 18分


今年の5月14日、room6から生まれたインディーゲームレーベル「ヨカゼ」は誕生から5周年を迎えました。その創立のキーパーソンが、個人ゲーム開発者のhako 生活さん。ヨカゼのフラッグシップタイトルである『アンリアルライフ』の生みの親でもあります。5年間も一緒に走り続けてきたけれど、実は私たち、hako 生活さんについて何も知らないかも? そこで、hako 生活さんに気になるあれこれを直接聞いてみることにしてみました。


――自己紹介をお願いします。




hako 生活さん:

hako 生活と申します。個人ゲーム開発者を名乗っています。2020年に『アンリアルライフ』というゲームを1人で作ってリリースしました。あとは『ghostpia シーズンワン』のメインプログラマーを担当したほか、『幻影AP-空っぽの心臓-』というゲームのディレクターを担当しています。そして現在『ピギーワン SUPER SPARK』を開発中です。ゲーム開発以外では、インディーゲームレーベル「ヨカゼ」を立ち上げました。ブランドマネージャーを担当しています。



――ヨカゼ発足5周年、おめでとうございます。この5年間でヨカゼを運営していて一番印象に残った出来事や、運営方針が変わった瞬間はあったでしょうか。


hako 生活さん:

一番印象に残っているのは、「ヨカゼナイト」というヨカゼのタイトルを集めた紹介番組を初めて作ったことですね。それまでのヨカゼは「所属しているタイトルのそれぞれが『ヨカゼ』を名乗る」というスタイルでなんとなく存在していたものだったんです。もちろんヨカゼとしてイベントなどに出ていたとはいえ「ヨカゼナイト」で初めて所属タイトルたちが一つの映像としてまとまって、パッケージとして紹介できたというのが一番印象に残っている出来事ですね。


運営方針については実はそんなに変わっていないかなと思っています。それぞれのゲーム開発者たちが同じ方向を向いて「こういうものをやっているよ」と打ち出していくっていうのは変わっていないんです。単純にたくさんの人たちに賛同してもらえる機会が増えて、どんどんいろんな人たちが巻き込まれていっているかなとは思います。



――今年3月には新たな試みとして「ヨカゼミュージアム」が開催されましたが、手応えはいかがでしたか。


hako 生活さん:

ヨカゼミュージアムは、これまでに集まったヨカゼのゲームの楽曲をアコースティックにアレンジした室内楽コンサートで、今回初めての試みでした。人の手で奏でられるゲーム音楽を通じて、ヨカゼのゲームの思い出を再体験できる、貴重なイベントになったと思います。そのぐらい、皆さんにとってもヨカゼのゲームが心に残っているんだなと感じました。


僕は普段の制作の特性上、家にこもっていることも多いので、ヨカゼのファンの方々のまえで直接話す機会も貴重でした。確かに実体を持つ存在になったんだなという手応えを感じましたね。


12月に東京公演もあるので、是非そちらも楽しんでいただければと思います。




初めて作ったのは「最強のトレカ」?


――子供のころや学生時代にゲームやクリエイティブなことに興味を持ったきっかけは何ですか。


hako 生活さん:

いろんなきっかけがあるのですが、小さいころにレゴブロックを与えられてよく遊んでいたのが一番最初かなと思いますね。建物や城を作ったり、作った町の中でちょっとしたお話や設定を考えたりという遊びが今のクリエイティブのもとになっているんじゃないかと思います。もう一つゲームづくりそのものでいうと、小学生のときくらいにPlayStationの『RPGツクール3』(※1)を買ったんです。当時はまだ全然理解できていなかったのですが、ゲームを作れるということに触れたのはそれが一番最初かなと思いますね。


(※1)『RPGツクール3』

1997年に株式会社アスキー(現アスキー・メディアワークス)がPlayStation向けに発売したRPG制作ツール。



――それでは、初めて作ったゲームについて思い出を教えていただけますか。


hako 生活さん:

何をもって初めてとするかなんですけど、思い返すと小学5年生のときに遡ります。アナログなのですが、カードゲームを自分たちで作るという遊びをやっていて、それが一番最初なんじゃないかなと思いますね。みんながそれぞれカードにイラストを描いて、その落書きしたやつを使って友達同士でレギュレーションを作ってその中で勝負するというゲームをすごく流行らせていました。もうドラゴンとか描きまくってましたね。友達のお兄ちゃんがやたら絵がうまくて、描いてもらってきてみんなに羨ましがられてました。



――とても思い出深いエピソードですね。


hako 生活さん:

別の学年の子たちは既存の『デュエル・マスターズ』とか『遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム』とかの丸写しみたいなのを作ってたんですけど、「いや、そんなのはダサい」って思ってましたね(笑)「自分たちで考えてなんぼだろ」っていうような。やっぱりクリエイティブがね。



――hako 生活さんの一番お気に入りのカードは何でしたか。


hako 生活さん:

なんだったかな。もう覚えてないですけど、ボードゲームとカードゲームの組み合わせみたいなルールだったんです。キャラクターの移動能力がすごく上がるみたいなカードだった気がしますね。



――キャラクターではなく特殊効果系なんですね。


hako 生活さん:

そうだった気がしますね。呪文みたいなカードも作れたので。ちゃんと校正委員会みたいなのもあって、ルールは自分たちで考えてもいいけどあまりにも理不尽だとリジェクトされるっていう仕組みがありましたね。僕がリジェクトしてたんですけど(笑)



――運営まで手がけられていたんですね。


hako 生活さん:

そうですね。みんな、そのカードを引いた瞬間勝利するみたいな、999,999パワーみたいなカードを作ってきたので。でも回を重ねるごとにみんなインフレしてきてましたね。



――創作の話について伺っていますが、学生時代にイラストや小説を手がけたことはありますか。


hako 生活さん:

それが一切ないんですよね。イラストは大学生になって初めて作ったゲームで素材が必要になって、でも絵が描けないからドット絵なら描けるかなと思って始めたのがきっかけです。




――ストーリーテリングやシナリオライティングの経験に関してはいかがですか。


hako 生活さん:

これもないんです。『アンリアルライフ』もそうですが、僕のものを書く力は大学の論文を書いた時に得た力かなと思います。



――大学の専攻は何だったのでしょうか。


hako 生活さん:

教養学部の情報系だったのですが、数学の先生や情報の先生になる人が多い学科でした。それかシステムエンジニアになる人がいるようなところです。



――hako 生活さん自身は教員志望だったのですか。


hako 生活さん:

教員志望だったのですが、忙しすぎたのでやめました。



――それでは社会人時代について教えてください。個人開発者として独立する前はどのような仕事をして、どのような生活をされていましたか。当時の不安や期待を教えてください。


hako 生活さん:

大学卒業後は東京でシステムエンジニアをしていました。独立系の企業で証券系のシステムを作っていたんですけど、初めて東京で一人暮らしをして、とにかくいろんな場所を散歩したりしてましたね。見たことない景色がいっぱいあったので。そのとき抱えていた不安は、『アンリアルライフ』というゲームを作りたいなと思ってしまってからは「仕事をしながらどうやってゲームを完成させればいいんだろう」という悩みとか、お金面ですね。奨学金も利用していたので「果たしてこれを返済できるんだろうか」とか、「会社を辞めるにもどうやって生計を立てるんだろう」という不安は常にありました。


一方そのとき抱いていた期待は、やっぱり東京に来てからいろんな景色を見られたので、そこから影響を受けた作品を作るのはすごく楽しかったし「このゲームが完成したらどうなるんだろう」というのはすごく期待してましたね。




――『アンリアルライフ』の企画が誕生した背景には、上京してから目にした景色なども影響を与えているのでしょうか。


hako 生活さん:

そうですね。東京に来たときの感動とか、夜の散歩をしている時の景色とかを強くリファレンスしています。



――では、個人開発者として独立しようと思ったきっかけは何でしたか。


hako 生活さん:

当時は2018年だったかな。SNS、特に旧Twitter(現X)で知り合いのインディーゲーム開発者が増えてきて、東京ゲームショウに遊びに行ってみんなが出展しているのを見ることができたのも影響はありました。そのなかでも会社をやめようと思った一番のきっかけが、TORIENAさん(※2)というチップチューンのアーティストさんの初のワンマンライブを見に行った時ですね。実は同い年で、その同い年の人がみんなの前で自分のやりたいことをやっているのを見て「これはもう会社を辞めよう」と思いましたね。「今のままじゃダメだ」みたいな。


(※2)TORIENAさん

北海道出身のチップチューンアーティスト。2025年、TVアニメ『前橋ウィッチーズ』のOP楽曲「スゴすぎ前橋ウィッチーズ!」を作曲した。




――同世代のクリエイターの活躍に刺激されたわけですね。


hako 生活さん:

そうですね。やはり同じ年数を生きてきた人の輝いている姿を見て自分と比較しちゃうというか、すごく輝いて見えたので。それがかなり強い影響かなと思います。



――『アンリアルライフ』の企画誕生には上京の経験が関係しているというお話でしたが、ほかにも影響を与えたものはありますか。


hako 生活さん:

このゲームはサイコメトリスト(※3)の少女が出てくるのですが、これは先ほども言った「夜の散歩」というイメージから着想を得たんです。深夜は信号機がずっと赤信号だったりするので、それを見て信号機の195の設定を思いついたりしました。最初はアクションゲームにしようと思っていたのですが、散歩をしているともっとゆっくりチルなゲームを作りたいと思って今のスタイルになった経緯があります。


(※3)サイコメトリスト

主に物体に残された、人の思念を読み取ることができる超能力者。




――アクションゲームの『アンリアルライフ』もちょっぴり見てみたかったですね。


hako 生活さん:

「非現実の世界に抜け出してしまった女の子が赤い傘を振って怪異と戦う」という話を考えていたのですが、ストーリーを考えるのが難しかったですね。当時はアクションを作れるほどの技術がなかったので、『アンリアルライフ』の完成形が技術レベルとしてもちょうどよかったのではないかと思います。



――『アンリアルライフ』の開発初期に、資金面やモチベーションなどで苦労したことはありますか。


hako 生活さん:

まず資金面では、当時そこまで貯蓄があったわけではなかったのですが、それを切り崩しながら開発をしていました。個人開発なので生きること以外のお金はそこまでかからないのですが、時間を確保するには生活を維持することが必要で、そのために姉夫婦と相談して3人暮らしを始めたりして。当時は半分居候のような感じで安めの家賃で住まわせてもらったりしていたんです。それでも切り崩していくと貯金がどんどん減っていったんですね。そんなときに以前からイベントでご一緒する機会があったroom6の社長のまさしさんに「お仕事ないですか」と相談をしました。それがきっかけで『ghostpia シーズンワン』というゲームを作ることになって、そのお仕事のおかげで資金面はどうにか維持できていた感じですね。


モチベーションについては切れたことがなかったです。やっぱり作りたいもののために会社を辞めて腹を括っていたので「これを完成させなければ」という気持ちで常に作り続けるということをやっていましたね。



――作品を完成させる上で一番大きな壁になったことは何でしたか。


hako 生活さん:

壁しかないんですけど、一番大きな壁はすべてが完結したときにシナリオの整合性をとることが大変だったかなと思います。シナリオというかゲームデザイン全部の整合性って言った方がいいかな。物語と謎解きの面白さとか演出の魅力とか、絵や音楽を出したい場所とかの整合性を取るのがとても大変だったと思いますね。





――『アンリアルライフ』が完成した後に開発者としての意識やスタイルは変わりましたか。


hako 生活さん:

一番大きいのは、当時のギラつきみたいなものは無くなったと思います。やっぱり「誰かに認められたい」という気持ちがずっとあったのですが、いろんな人に認められるようになってきたのはありますね。そのうえでスタイルとしては結構大人になったんじゃないかなと思います。考え方とか行動とか。それを今後の作品ではいい変化として使っていきたいなと思いますね。ギラつきというか、満たされていない方がいいものが作れるという考え方もあるのですが、そういうのが埋まってきたときに何を作れるかというのが勝負かなと思っています。



――「誰かに認められたい」という気持ちを4年間抱えながら開発を続けてくるなかで、どのように気持ちと折り合いをつけていたのでしょうか。


hako 生活さん:

「いま作っているゲームが完成したら認められるんじゃないか」っていうか、「認められるために完成させないと」っていうのがモチベーションが切れなかった理由でしょうか。絵や音楽、プログラムやシナリオ、UI、アニメーションなど、そういうものをすべて自分でどこまでできるだろう、と思って。自分自身が知りたかったのもあるし、みんなにも知って欲しかったというのがやっぱりありますかね。



――そうしたハングリー精神が満たされたところで、どう変化するかを見据えているわけですね。


hako 生活さん:

そうですね。ただ、まだもう一歩「自分が夢を叶えたあとに何ができるか」を探しています。残りの人生で何が作れるかをすごく考えてますね。




最高のゲームにしたいので


――hako 生活さんが三味線を習われているというウワサを聞いたのですが、本当でしょうか。


hako 生活さん:

そうですね。三味線は12年間やっていました。テレビで三味線を弾いている人を観て「やりたいな」と思い親に相談したら、たまたま住んでいた街に三味線教室があったので習っていたんです。津軽三味線という、青森の割とロックっぽい雰囲気の三味線ですね。



――今も演奏されることはありますか。


hako 生活さん:

それが、一昨日17年ぶりに三味線が実家から届いて。三味線の太鼓の部分、ギターでいうボディの部分の皮が割れちゃってたんですけど、それを2日前に調べたら青森の職人さんじゃなくても近所の3駅ぐらい隣の弦楽器屋さんで直せるらしいので行ってきて、丁度今修理に出してます。




――ウワサ情報をもう1つ。hako 生活さんがかつて居酒屋でバイトリーダーをしていたという説を聞いたのですが、それは本当ですか。


hako 生活さん:

それも本当ですね。地元の居酒屋のオープニングスタッフでドリンカーっていう仕事をしていました。ドリンクも作るしホールで接客もするし厨房の人たちの意見も聞いて、というホールとキッチンをつなぐ司令塔のような感じだったんですけど、なぜか消去法で僕の担当になりました。ホールの人もキッチンの人もお互い自分の立場のことを言っていて、どっちも正しいけどどっちも正しくないなっていうのをそこで知りましたね。



――ありがとうございます。では本筋に戻ります。hako 生活さんは個人ゲーム開発者のほかにも、ヨカゼのブランドマネージャーやピクセルアーティストなど多岐にわたる活動をされていますが、自分のメインとして捉えているものはありますか。


hako 生活さん:

あんまりないのですが、強いていうとシステムを構築しているときが一番自分らしいなと思います。何か大きなシステムをかたちにしているときは一番脂が乗っているというか、ツヤツヤになっている感じです。やっぱりイラストレーションとかピクセルアートはほかに秀でている人がいるのですが、とくにゲームシステムを作る部分、プログラムとゲームデザインがかなり自分っぽいなと思いますね。




――ゲームの遊びや仕組みを構築しているときということでしょうか。


hako 生活さん:

いや、これもずっと変化しているんです。一番はプログラムに収まっていることが多いんですけど、最近はゲームの面白さの部分を考える機会が増えましたね。



――hako 生活さんにとって尊敬している人や「自分がこうなりたい」というモデルにしているクリエイターさんはいらっしゃいますか。


hako 生活さん:

尊敬しているのはM7kenjiさんという方です。さっきのTORIENAさんの映像を作ったり、モバイルゲームの時代に『BUGTRONICA』(※4)や『ロクジョーヒトマ』シリーズ(※5)などのゲームを作ったクリエイターさんで、ピクセルアートも描くしゲームも作るしVJもやる人ですね。この方からの影響がすごく大きいので尊敬しています。モデルにしている人はいないんじゃないかなと思います。自分がやりたいことをやっているだけですね。


(※4)『BUGTRONICA』

スマートフォン版が2013年にリリースされたアプリゲーム。すべてがバグだらけになってしまった世界で、虫を倒しながら進むゲーム。


(※5)『ロクジョーヒトマ』

携帯電話向けゲームとしてリリースされ、のちにスマートフォン向けにも移植されたゲームシリーズ。引きこもりの主人公ロクジョーヒトマの冒険を描く。





――ご趣味を教えてください。ただし、「残りHP100のときに打ち込む趣味」「残りHP50のときに楽しむ趣味」「残りHP1のときにする趣味」に分けて教えてください。


hako 生活さん:

100%のときの趣味は、趣味としてシステムを作ってみたり新しい技術に触れたりします。あとは変わったものでいうと「イベントを企画して実行する」っていうのもやりますね。深掘りしなくていい話ではあるんですけど(笑)『Minecraft』のModを開発して80人ぐらいのクリエイターを呼び、「Minecraft Creator Server+」という企画を開催しました。『Minecraft』のゲームデザインに+αしてどう面白い企画が出来るかという試みで、招待したクリエイターたちに一つの世界でそれぞれ遊んでもらうというものです。あらゆる行動やアイテムをコインに換金するシステムを設けて、それぞれのプレイヤーがサバイバル共同生活を行い、最終的に5000枚のコインを集めよう、という主旨で、条件を達成するとTシャツがもらえるという企画でした。


残りHP50の時に楽しむ趣味。これはまあ『TETRIS』をひたすら遊ぶことですかね。『TETRIS99』と『ぷよぷよテトリス2』を一生遊んでます。配信もしてます。残りHP1の時の趣味はYouTubeショートを観ることです。Instagramのストーリーとかも観ますけど、動物を観てますね。Instagramの方だと黒い猫が2匹船に乗っているアカウントがあるんですけど、それがイチオシです。海外の湖畔みたいなところで大人しく船に乗っている猫をよく観ています。





――人生でhako 生活さんに影響を与えた作品を5つ教えていただけるでしょうか。


hako 生活さん:

ゲームだけで言うと『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』(※6)、『風のクロノア』シリーズ(※7)、『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』(※8)、『Ib』(※9)、そして『BUGTRONICA』ですね。


(※6)『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』

任天堂から1995年に発売されたスーパーファミコン用のアクションゲーム。 赤ちゃんを背負ったヨッシーたちが、さらわれたもう1人の双子の赤ちゃんを助け出すため、冒険の旅に出る。絵本風のグラフィックが特徴。


(※7)『風のクロノア』シリーズ

バンダイナムコエンターテインメントから発売されているアクションゲームシリーズ。第1作『風のクロノア door to phantomile』はPlayStation向けに1997年に発売された。主人公クロノアが世界を救う冒険を描く。


(※8)『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』

ゲームデザイナーズ・スタジオが開発し、任天堂が2003年にゲームキューブ向けに発売したアクションRPG。瘴気を浄化するクリスタルの命を紡ぐため、「ミルラの雫」を求めて冒険するキャラバンを描く。


(※9)『Ib』

日本のインディーゲームデベロッパーkouri氏が開発し、2012年2月に発表された、不気味な美術館が舞台の2Dホラー探索型アドベンチャー。プレイヤーはひとりぼっちになったイヴを操作し、辺りを調べてアイテムを見つけたり仕掛けを解いたりして進む。2022年にPLAYISMよりリメイク版がリリースされた。



――影響を受けた作品といえば、「hako 生活がアンリアルライフで影響を受けた作品」を公開しようと思い立ったきっかけは何ですか。


hako 生活さん:

やっぱり自分がいろんな作品から影響を受けているので。『アンリアルライフ』がどういうゲームかを知ってもらうときに自分と同じようなものを好きな人が遊んでくれたらきっと楽しめるだろうなと思っていたので、先にみんなに知ってもらえたら手に取ってもらいやすいかなというのがきっかけですかね。あと単純に自分の好きな作品を遊んでもらった人にも知ってほしいというか。知る人ぞ知る音楽とかバンドとかも見てほしいなっていう思いもありますね。音楽とかを聴いて、思い描いていた情景が自分の作品と繋がったりしたら楽しいんじゃないかなと思って。




――現在開発中の『ピギーワン SUPER SPARK』について、こだわっているポイントや開発で挑戦していることを教えてください。


hako 生活さん:

『ピギーワン SUPER SPARK』は2Dのアクションゲームで、とにかく「楽しい」と「気持ちよさ」とは何かを追求しているゲームですね。キャラクターを動かすのが楽しい、移動が楽しいゲームを目指しています。昔からある2Dゲームもそうですが、2Dのゲーム画面って本来すごく狭い空間を動かなくてはならないんです。そのなかを自由に飛び回れたらいいなという方向性で制作しています。ゲームのデザインについてはいろんな「硬さ」「柔らかさ」があると思うのですが、指一本届かないみたいな硬い部分もあれば、いろんな方法で進んでいいよみたいな柔らかさももっています。ちょっと物理エンジンも取り入れたりしていますね。このように、現代的なゲームの3D技術も積極的に2Dゲームに落とし込んだらどう楽しいものができるかを考えています。



――先程『アンリアルライフ』の制作の時にアクションゲームを作ろうとしたけれど技術的な面もあってやめたというようなお話がありましたが、その時に比べると技術的にもかなりレベルアップされていますか。


hako 生活さん:

そうですね。やっぱり何本もゲームを作って完成させたのもありますし、ゲームのデザインとは何か、という部分も『アンリアルライフ』のリリース後に勉強する機会があって。自分の中で「こういうふうにゲームを作ったら面白くなる」という仮説が証明されつつあるので、システムの技術もゲームのデザインとしての技術も今だったらできるかなと考えています。その中では『ピギーワン SUPER SPAERK』は特に難しいたくさんのことに挑戦しているので、ギリギリを攻めています。最高のゲームにしたいので。




――最後にhako 生活さんのファンに向けて一言お願いします。


hako 生活さん:

まずこの5年間、2020年から『アンリアルライフ』およびヨカゼのレーベルを応援してくださっている方々に向けて、ありがとうございます。ゲームを通じて僕のことやレーベルのことを知ってくれた方もたくさんいると思うのですが、そういう方々のおかげで自分の今があると思っています。残りの人生で何を作っていけるかも指で数えられるくらいかなと思うのですが、尽力していきますので応援よろしくお願いします。


『アンリアルライフ』はNintendo SwitchSteamにて配信中。『ピギーワン SUPER SPARK』はSteamにてウィッシュリスト登録が可能です。



この記事を書いた人

聞き手:ササン三(room6)

編集:ササン三(room6)

校正:fukushima(room6)




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